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ギーシュ戦から三日後… 明日から自室待機の学校閉鎖状態が終わり、授業が再開される。 事件に関しての生徒達の興味は少しはおさまってきたが、学院外部からの侵入者に対しての厳重警備は未だ解かれてはいない。 いったい何が真実なのであろうか。総てはまるで夢のよう。 真実は虚実、虚実は真実であり、夢は現、現は夢なのだ。 第七話 タバサ-捜索者 その① 「…というわけで、私はあなたを召喚して、あなたは私の使い魔になったの。」 「つまりは、物体移動と契約(対象を僕として制限する)する能力というわけか。」 フー・ファイターズはまだ、スタンド能力だと勘違いしていた。 「(なんか完全に理解してくれてはなさそうだけど)大体そんな感じよ。」 一通り説明を終えたルイズ。フー・ファイターズは、自分が知らないだけでこういった土地があるのだろうと思っていた。 勘違いの力は恐ろしいものである。 また、使い魔として従うことに抗わないのは、命を張って自分を助けたルイズの黄金の精神に徐倫の影をを見たからである。 (徐倫達は大丈夫なのだろうか?) 徐倫達に思いを馳せるフー・ファイターズだが、ノックの音とともに考えるのをやめざるをえなかった。 ルイズがドアを開ける。 「キュルケ知らない?」 入ってきたのは水色短髪の少女だった。 第七話 タバサ-捜索者 その② タバサはある人物を探していた。そう、友人のキュルケをである。 ギーシュ戦のあった日から、キュルケの姿を見ていない。それにもう既に三日もたってしまっている。 タバサは不安になった。なんかあったんじゃあないのだろうかと。 でも一日二日程度ならまだ気にしなかった。でも、三日もたつとそれは無理ってもんだ。 最後にキュルケの姿を見たあのとき、タバサはギーシュ戦の結果を教えてくれと言われていた。 そのときの表情を思い出しても、蒸発するような人の表情じゃあなかったのをタバサは覚えている。 直前に男に会いに行くといっていたが誰かわからないので、キュルケと関係を持った複数の男達に話を聞きに行った。 話を聞くことができた男達はみな、知らないとのことであり、タバサを悩ませた。 けれども唯一話を聞けなかった男がいる。消去法でキュルケが会っていたのは彼だろうと推理はできた。 しかし、聞けなかった理由にタバサは胸糞が悪くなった。 なんとその男、ベリッソンは、キュルケが帰ってこなかった日の翌日に、……… 自室でロープを首に括り、変わり果てた姿で級友に発見されていたのだ。 そうしてルイズのところに行くことを決心する。 普段からキュルケとは『喧嘩するほど仲がいい』な関係であるからだ。 そうしてルイズの部屋のドアをノックした。 第七話 タバサ-捜索者 その③ ルイズはタバサから事のあらましを聞いて、協力することにした。 初めはうちは、どうせ男とにゃんにゃんしてるんでしょ、と思っていたが、タバサの話を聞いているうちに、本当に何かあったんじゃあないか、と思えるようになってきたからだ。 『将来、詐欺に合わないか心配だな。』とアヴドゥルを召喚していたら思われてしまうだろう。 「あのツェルプストーの色情魔め、まったくどこほっつき歩いてるのよ!」 いつも通りの悪態をつき、 「行くわよ、フー・ファイターズ!ちゃんと水持っていきなさい!」 とフー・ファイターズに指示を出し、一向は出発した。 勿論、タバサとルイズは別行動だ。二手に分かれたほうが効率がよい。 ルイズは考えた。誰に聞いたら情報が得られやすいかと…。 そうして、 (女といったらやっぱりあのスケコマシよ!) という結論が出たので、まずはギーシュのところに向かうことにした。 一応まだ、医務室で療養中だ。 医務室に向かう途中、いつもと様子が違うマリコルヌが話しかけてきたが、とりあえず無視をしてルイズは医務室に向かった。 残されたマリコルヌはというと、 「どうせ僕なんて……」 と一人呟いていた。 第七話 タバサ-捜索者 その④ 「ギーシュ、あーん。」 「あーん。……(モグモグ)……おいしいよ、モンモランシー。やっぱり君が剥いた林檎は世界一ィィィィィィだ。」 「もう、ギーシュったら……(ハァト)」 医務室にはバカップルが一組。そのうち『最高記録だ!』と加速した時の世界で言いそうなくらいである。 あの決闘の後、意識が戻ったギーシュは、モンモランシーにケティとのいきさつを話した。 すべてを理解し、包み込んでくれるモンモランシー。 怪我によって動きづらいギーシュに対して献身的に付き添ってくれるモンモランシー。 ギーシュはバカップルにはならないように精一杯努力したが、ここまで献身的にしてもらっては我慢の限界である。 そうして二人はバカップル堕ちたのだ。 「モンモランシー、君は今、生理中だろう?」 「ど、どうしてわかったの、ギーシュ。」 「あの決闘の後、妙に嗅覚が鋭くなってね。」 《これは嘘。本当はヴェルダンテが偵察していた。》 「ギーシュのエッチ!…そんなエッチなギーシュにはもう一個林檎をむいてあげるわ。」 簡単に騙されるモンモランシー。完全にバカップルだ。 「ありがとう麗しきモンモランシー、でもその林檎は腐っているよ。臭いでわかるんだ。」 《これも嘘。適当に言っただけだ。》 「本当にギーシュって凄いのね。」 そういって、モンモランシーは林檎を捨てた。 こいつらはもう手遅れである。 丁度そのときドアを開けてルイズが入ってきた。 第七話 タバサ-捜索者 その⑤ 「キュルケについてなにか知らない?」 ルイズは細かいことは話さず、キュルケ失踪とタバサが心配しているということのみ話し質問した。 もちろん知っているはずがないギーシュ。 「いくらミス・ツェルプストーが綺麗といわれても、モンモランシーの前ではただの人さ。モンモランシーの美しさに目がいってしまって、他の情報が頭に入ってこなくてね。」 「…ギーシュったら、もう…」 話がかみ合っていない。 (こいつら、バカップルよ。これ以上は無駄ね。) とルイズは判断し、病室をあとにした。 そのあと色々な人に聞いてみたが、全く成果はなし。 諦めかけたルイズの前をミス・ロングビルが通った。 「あの女にはまだ話しかけてないぞ。」 フーフ・ファイターズが言う。 それにルイズは反応し、 「そんなことわかってるわよ!……一応、ありがと。」 と返し、今日はこれで終わりにしようと考えた。 第七話 タバサ-捜索者 その⑥ 「あの、ミス・ロングビル、少し宜しいでしょうか?」 「どうしたの?別にかまわないわよ。」 ルイズの質問に対して快く返事をするロングビル。 内心は、 (早くしやがれコノガキが!) である。 「ミス・ツェルプストーをご存知ありませんか?最近見かけないもので、彼女の友人が捜していました。何かここ数日間の、彼女に対して知っていることがあったら教えてください。」 ルイズのこの問いに対して、知らないで通すべきか迷ったが、嘘の情報で攪乱させることにした。 「たしか、たしかだから当てにならないかもしれないけど…」 ロングビルが引き伸ばしたように言うと、 「どんな些細な情報でもかまわないんです。教えてください!」 とルイズが真面目に返す。 その表情をロングビルは楽しみながら、嘘の情報を続けた。 「そうね、あれはギーシュ・ド・グラモンという生徒とあなたの使い魔が決闘をおこなってた日じゃなかったかしら…」 ルイズが息を呑む。 「オールド・オスマンにそのことを伝えようと急いでいたとき、窓の外をフと見たの。そうしたらミス・ツェルプストーが、あせったような感じで学園を抜け出していくのが見えたわ。」 「それで!?」 「それからはわからないわ。なにかドジをして逃げたんだと思っていたんですもの。私はあまり気にはかけてはいませんでしたし。」 第七話 タバサ-捜索者 その⑦ それでもルイズは初めて得られた確かな情報に舞い上がっていた。 最後の最後でやっとのハーヴェストである。 ただそれが嘘とも知らずに… そうしてロングビルに感謝の意を伝え、時間をとらせてしまったことに詫びをいれた。 (ほぉんと、おばかさぁん。せいぜい嘘と戯れてなさい。) 心中でルイズを侮辱しつつ、ロングビルは去って行った。 その後タバサと合流したルイズは、先ほど得た情報をタバサに伝えた。 しかしタバサは解せない様子でその情報を聞いている。 そういうタバサのほうはというと、結局、たいした情報が聞けなかったらしい。 ルイズは 『先生に相談してみたら?』 といったが、 『事件という証拠がない。相手にされない。』 と言われて返す言葉もなかった。 明日から授業が再開である。 フー・ファイターズの水槽の水を入れ替えて、寝る準備をしてから寝る。 「…おやすみ、フー・ファイターズ。今日はお疲れ様。」 「……おやすみ。」 本日フー・ファイターズが覚えた人名 「タバサ」「キュルケ(ツェルプストー)」「ベリッソン」「ロングビル」「オールド・オスマン」
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autolink ZM/W03-T04 ZM/W03-014 カード名:無口なタバサ カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:3000 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《メガネ》? TD:破壊の杖 C:…… レアリティ:TD C illust.ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 普通の0/0バニラ。 序盤にシルフィードを合わせてやる事が出来れば、試合直後の流れを自分に引き寄せられる1枚。 ・関連ページ 「タバサ」? ・類似カード カード名 レベル/コスト パワー/ソウル 色 はりまお 0/0 3000/1 黄 ディーラーの音姫 0/0 3000/1 黄 ソフト部三人組 0/0 3000/1 黄 黄昏の街を見下ろす鈴と小毬 0/0 3000/1 黄 鳶色の瞳のルイズ 0/0 3000/1 黄 フェイト&アルフ 0/0 3000/1 黄 幼少時のみゆき 0/0 3000/1 黄 にゃもー 0/0 3000/1 黄 “ねがいぼし”小毬 0/0 3000/1 黄 玲二の妹 江漣 0/0 3000/1 黄 日差しの中の渚 0/0 3000/1 黄 花畑の少女たち 0/0 3000/1 黄 アリッサ&深優 0/0 3000/1 黄 ベベ 0/0 3000/1 黄 マオ&ラズベリル 0/0 3000/1 黄 湯上りセイバー 0/0 3000/1 黄 トウマ&シリル 0/0 3000/1 黄 そっけないシリル 0/0 3000/1 黄 八神 庵 0/0 3000/1 黄 “破邪清真”森 蘭丸 0/0 3000/1 黄 双子の猛獣 亜美&真美 0/0 3000/1 黄 共感覚者カナン 0/0 3000/1 黄
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タバサの杖 キュルケに支給された。 タバサの使用している杖。 作中の挿絵を見る限りタバサの身長より高く、才人の頭近くまであるので百六十センチ~百七十センチの間と考えられる。 外見は節くれだった古い木の棒で上のほうが丸く渦を巻いており、丸みを帯びる直前に青い二本のラインが走っている。 原作に登場している杖の中では最も長い。 原作ではメイジの杖は所有者専用である、との設定が外伝にあたる作品で書かれている。 しかし、本ロワ内では特に制限なく使用できるようである。
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【評価】神! 【ブランド】サマンサタバサ ニューヨーク 【金額】2k 【購入場所】都内デパート 【中身】 ◎革製トートバッグ(41475円) ◎キルトっぽいデザインのショルダーバッグ(21000円) △白のシガレットケース(たばこ吸わないから△) たまたま通りかかった時に余ってたから買ったんだけど、 びっくりするほどよかった! 重いのは革のバッグが入ってるかも、と言われて重さを 見たのがよかったのかも。 重さはかなり差があったから、中身は様々だと思われ。 バッグだらけになってしまった・・・。 古いバッグ捨てよう。 【評価】福 【ブランド】samantha vega 【金額】 10000円 【購入場所】 難波 【中身】 ◎アニマル柄?の大きめトートバッグ。ふわふわ。持ち手がピンクでバッグの色も柔らかいベージュでかわいい。 〇ゴールドのバッグ。両脇が折り込まれてるデザイン。かわいいと思う。 〇ゴールドのカードケース。ハートがついててかわいかった。 ×シルバーの煙草ケース。煙草を吸わないので。 説明が下手なのでかわいさが伝わらなくてごめんなさい。総額は約6万円くらい。 トートバッグはちょっと大きかったけど、セールで狙ってたデザインの物だったのですごく嬉しかった。 カードケースは弟が好きな色だったのであげたら喜ばれたし、福袋でした。 開店20分前に行ったけど、並んでる人が少なくてちょっとびっくりした。 15000円のは開店して早くになくなってた。 【評価】福 【ブランド】サマンサタバサ プチチョイス 【金額】10k 【購入場所】デパート 【中身】 ◎黒の長財布 22050円 ○白のカードケース 5775円 2点入りでした。 長財布が私の好きなガマ口タイプで気にいった! カードケースは無難だけど、ちょうど定期入れ 変えようと思ってたので、嬉しい。 欲を言えば10kだから、4万超えだったら嬉しかった。 贅沢だけど。 【評価】 普通 【ブランド】 サマンサタバサプチチョイス 【金額】 10K 【購入場所】 店頭 【中身】 ○黒いコードバンの長財布 シンプルで差し障りないけど、傷が目立つ。 ○白いキーケース(角にラインストーンの装飾あり) 無難だけど、キーケースは今は必要ないし、汚れが目立ちそう。 総額2万強で、福袋とは言い難い感じ。 これならバーゲンで欲しいもの買ったほうがお得。 サマンサティアラの福袋 友達に頼んでたのが来た。 【評価】福 【ブランド】サマンサティアラ 【金額】30k ①ホワイトゴールドのピンクサファイアつきクロスネックレス(34650円) ②ピンクゴールドのリボンモチーフリング、ダイヤ付き(75600円) 二つともカワイイ! 大満足でした。 【ブランド】サマンサタバサ プチチョイス 【価格】10K 【購入場所】オク 【評価】普通(私的には鬱寄り) 【中身】 △ヒョウ柄のお財布 ヒョウ柄苦手で辛い。 そしてこの起毛系の質感、冬限定過ぎやしませんか…。 △ベージュリボンつき花柄キーケース なんか妙に安っぽい。 どうしようって感じ。 ○ゼブラ柄シガレットケース これまた起毛系。 でも用途が限定されてない分、使えそう。 このスレのいくつか前のスレでサマンサタバサの福袋について質問させていただいた者なんですが、 ネットで注文したSTNYの福袋が届きました。 15000円(税抜き)の福袋です。 カバン→ ttp //imepita.jp/20080112/666530 ミラー→ http //imepita.jp/20080112/667551 というわけで鬱袋ですたorzorzorz ミラーの方はちょうど欲しかったタイプのやつで良かったんですがカバンは…orz サマンサは店舗で欲しいカバンを買おうと思いましたorz 【評価】鬱 【ブラ】サマンサタバサ 【金額】2.1K(2.15k落札) 21Kの間違いと思われます 【購入】オク 【中身】 △バッグ→オクに大量出品されている豹柄ファーミニボストン。定価33000円くらい。 △バッグ→パーティにしか使えそうにないサイズのピンクのサマンサ生地のバッグ。定価16000円。 ○財布→シルバーのふにゃふにゃ合皮生地の長財布。デザインがかわいくて一見使えそうだけど、ヒモで閉じるようになっているため、開け閉めに時間かかりそうなので実用向きではない。値段タグなし。 これらって、ホントに定価こんなにしたのか謎です… -
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~レクイエムの大迷宮 地下8階~ ガタンッ! 乳母車を抱えるハーヴェストと、それを奪い取ろうとするハイウェイスターの手の力が反発を起こし、乳母車が大きく揺れる。二つの力が拮抗することで、ハーヴェストの走行スピードに若干のブレーキが掛かる。 『ぬううッ……!』 数で圧倒的に勝るハーヴェストから、ハイウェイスターは中々乳母車を引き離せない。 両者が抵抗を続けるその度に、ガタガタと音を立てながら乳母車全体に振動が走る。 「……ふぁ……ふ……フギャア!フギャア!フギャア~!!」 やがてその振動に耐え切れなくなったのか、眠っていた赤ん坊が目を覚まして耐えられないとばかりに泣き始める。迷宮内に、赤ん坊の神経質な叫び声が途切れることなく反響して行く。 『クソッ!こいつらとっとと離しやがれ!ええいッ!俺としたことがまた女を泣かせちまったぜ!』 乳母車の中の赤ん坊が女であることを思い出したハイウェイスターが毒づく。 何とか彼女を救い出そうとハイウェイスターは更に手に力を込めるが、何時まで経ってもハーヴェスト達によってガッチリと固定された乳母車を奪い返すことが出来ずにいる。 ――そして、ハイウェイスターが焦りを抱き始めたその瞬間、それは起こった。 「ホギャア!ホギャア!ホギャアァ~ッ!」 『な…何だッ!?ガキの姿が……見えなくなってくッ!?』 泣き喚く赤ん坊を中心として、ハイウェイスターの目の前にある全ての“もの”が透明になって消えて行く。 その現象はやがて、乳母車全体に広がってそれを掴むハイウェイスターの腕にまで広がって行った。 『こ…これはスタンド能力だッ!このガキがスタンドで何でもかんでも透明にしちまっているのかッ!』 これはあくまでも、見えている物が透明になるだけの能力であるらしく、ハイウェイスターには未だに乳母車を掴む自分の手の感触を確かに存在していることを感じていた。 そもそも、視界よりも嗅覚によって相手を捉える能力に長けているハイウェイスターにとっては赤ん坊の姿が見えないことなどは大した問題などでは無かった。 そして、乳母車に触れているハイウェイスターの体の透明な部分がどんどん広がって行くと共に、乳母車の足元に群がっているハーヴェスト達の姿もまた、次々と透明になっているのがハイウェイスターにはハッキリと“見えて”いた。 『邪魔スル奴ガイルゾ…!』 『目障リダゾ…!』 『ヤッチマウゾ…!』 『片付ケチマウゾッ…!』 そんな声と共に、ハイウェイスターの体に妙な刺激が走り出す。 『うおっ……な、なんだッ…!?』 脚から胴体、両腕に頭と、体の下から上に向かって「痒み」にも似た刺激が全身を覆って行く。 背筋に冷たい予感が走ったハイウェイスターは、乳母車を掴んでいる片手を離して自分の体を払う。 彼の手に何かが当たる感触が伝わって来る。それは全長数cm程の塊のような感触だった。 そう――それは丁度、未だに足元で乳母車を抱えて走り出す、ハーヴェストの体その物のような感触! 『うおぉぉぉーーーーッ!!?』 ハイウェイスターが全身を覆う刺激がハーヴェストによる「攻撃」であると気付いた時、たまらずに乳母車を掴んでいたもう片方の手も離してしまう。衝撃によってハイウェイスターの体が吹き飛ばされ、ゴロゴロと無様に地面を転がり回る。乳母車の運搬から離れたハーヴェストの群れが更にハイウェイスターを痛め付けるべく、四本の腕でハイウェイスターの体を次々に削り取って行く。 『クタバッチマエバイインダゾッ!』 『邪魔ハサセナイゾ!』 『トドメヲ刺シテヤルゾッ!』 『グッ…!ち、ちくしょう、こいつらッ…!駄目だ、振り払えねぇッ!』 乳母車の中の赤ん坊が離れて行くのを、地面に倒れ伏したハイウェイスターは「臭い」で感知していた。 それと共に、自分や自分を襲うハーヴェストの姿の透明化が解除され、目で見えるようになって行く。 「――クソッ!嫌な予感はしてたが、予想通りになっちまったぜ!戻れハイウェイスター!」 ハーヴェストの攻撃によるダメージでハイウェイスターが完全に身動き一つ取れなくなる直前。 自分自身の“鼻”でタバサ達をここまで誘導して来た噴上裕也が大急ぎで自分のスタンドを解除する。 「波紋疾走(オーバードライブ)!」 「クレイジー・ダイヤモンド!」 スタンドを解除した噴上裕也を後方に下がらせて、前に出たツェペリの波紋とタバサの装備するDISCのスタンドが、ハイウェイスターの襲撃の為に乳母車の運搬から離れたハーヴェストの群れを一掃する。 そのまま未だに乳母車を手放そうとしないハーヴェストの本隊を追跡すべく、間を置かずに走り出す。 「…しかしフンガミ君。大分手酷くスタンドをやられていたようだが、君自身は大丈夫なのかね?」 「ああ…ハイウェイスターは遠隔操作にしていたからな。だがここまでスタンドにダメージを受けちまった以上、次に出せるようになるまで結構な時間が掛かっちまうな」 自分のスタンドがこうも手酷いダメージを与えられたことに歯噛みをしながら、噴上裕也は答える。 それと共に、先程までハイウェイスターが繰り広げていた一連の攻防を、自分の記憶として頭の中に叩き込む。ハイウェイスターが“見た”光景を、本体である噴上裕也が共有して行く。 「……俺達は確かに奴らに近付いてる。それは間違いねぇ。 だが気をつけてくれ。あのガキの乗った乳母車やコソ泥野郎のスタンドは、今は姿が“見えない”」 「見えないだと?」 顔色一つ変えずに走りながら、ツェペリが背後を走る噴上裕也に首を向けて尋ねる。 「ああ。あの赤ん坊のスタンド能力だ。自分を含めて、その辺の物を何でもかんでも手当たり次第に 透明にしちまうってヤツだ。どうやらあのガキがストレスを感じると共に発動するシロモノらしいな…… ギャアギャア喚いて涙からストレスを垂れ流しにしてるのが「臭い」を通じてよーくわかるぜ」 涙にはストレスの原因となる物質が含まれている。だからこそ人は思い切り泣いた後は気分が スッキリするのだという話を思い出しながら、噴上裕也は言った。 『おいおい。姿が見えねぇんじゃあ、一体全体どうやって掴まえりゃあいんだよ?』 「それを今から考えようって話だろ。ま、俺だけなら奴の「臭い」を辿れば楽勝なんだがな」 『そう言っときながら、さっき大切なスタンドをボコボコにされてたのは何処のどいつだぁ?あ~ん?』 「やかましい! ……と言いたい所だが、確かにあそこまでハイウェイスターをやられちゃあ返す言葉もねえな」 『あらら。こいつはマジで重傷だわ』 「……見えるようにする」 そこで噴上裕也とデルフリンガーの会話を制止するように、タバサがぽつりと呟いた。 『見えるように……って、何かいい手があるのかよ?』 「ある」 デルフリンガーの問いに、タバサは迷うことなく断言する。 「だから、あなたの力が必要」 そしてタバサは、自分の腰に挿したデルフリンガーの柄を軽く撫でて言葉を続けた。 「フム。何か策があるようだね、タバサ」 「…………」 ツェペリの問いにタバサは小さく、しかし自身有り気に頷いた。 「よし、ではここは君に任せよう。私は君のアシストに回る。君の手並み、見せて貰うよ」 「わかった」 『よーし!オレに出来るコトなら何でもやってやるぜ!期待してるぜタバサ』 「うん。お願い」 答えて、タバサは走りながらハーヴェストに盗まれずに済んだDISCの一枚を取り出す。 「――近いぞ!もうすぐだ……もうすぐ奴らの至近距離に入るぞッ!」 彼女の後ろを走る噴上裕也が、赤ん坊の「臭い」を捉えてそう宣言する。 「ホギャア!ホギャア!ホギャア!」 タバサ達が顔を正面に向ける。そこには何も見えなかった。 だが彼女達の耳には、真正面から赤ん坊が泣き喚く声が確かに聞こえて来た。 「気をつけろ!透明になってる範囲はどんどん広がっているらしい…スタンド共も襲って来るぞ!」 「…………!」 噴上裕也の叫びと共に、タバサは赤ん坊のスタンド能力で、それに近付く自分の体が少しずつ 透明になって行くのが見えた。時間を掛ければ不利だ。そう判断したタバサは迷うことなく手に持った 黄金色の装備DISCをデルフリンガーの柄へと差し込む。 「発動」 『よっしゃあ!』 気合を込めたデルフリンガーの雄叫びと共に、差し込まれたDISCが刻み込まれた能力を解放する。 その「愚者(ザ・フール)のDISC」を中心に生じた霧が、デルフリンガーに効果を増幅されたことで階層 全体を覆い尽くすかの如き勢いで広がって行く。 そして霧は乳母車に乗る赤ん坊の所まで広がって行き―― そのまま彼女のスタンド能力によって、透明になって掻き消える。 そして、透明な部分は一定の大きさの塊となって前方へ向かって線状に伸び、透明な軌跡を作る。 『――おでれーた!だが確かに、これなら赤ん坊が何処にいるか見えるな!』 赤ん坊が何もかもを透明にしてしまうならば、逆にその周囲を透明に出来る何かで覆ってしまえばいい。 そして、ザ・フールのDISCが生み出した霧によって、赤ん坊を中心に生み出される透明な部分が剥き出しになれば、その部分こそが赤ん坊がいる中心点としてタバサ達の目にもはっきりと“見える”。 『……マタ来タゾッ……!』 『邪魔ナ奴ラダゾ……!』 『返リ討チニシテヤルゾ……!』 赤ん坊が霧を透明にし続けている方向から、ハーヴェストの声が聞こえて来る。 そして間も無く、乳母車を運んでいたハーヴェストの群れから、その一部分がタバサ達を迎撃すべく飛び出してくる。それまで赤ん坊のスタンドによって透明だったハーヴェスト達が、乳母車から離れたことによってその姿を露わにしていく。 タバサは接近して来るハーヴェストに構わず、次に使うべきDISCを取り出そうと懐を探る。 「…………ぅ……っ!」 タバサに群がるハーヴェスト達の四本の腕が、彼女から少しずつ皮や肉を削り取って行く。 「痒み」にも似た痛みがタバサから集中力を奪って行くが、タバサはそれに耐えながらも何とか目的のDISCを取り出すことに成功する。 ――その瞬間。 急激に視界がぼやけ出したと思ったら、そのままタバサは全身の自由を失ってその場に崩れ落ちる。 『タバサ!?』 「ぅあ……!?う……あぁっ……!」 タバサは必死になって立ち上がろうとするが、体が全く言うことを聞いてくれない。 心なしか、今も彼女を襲っているハーヴェストの攻撃による痛みも麻痺しているように感じる。 その中で先程取り出したDISCを取り落とさなかったことだけは、僥倖と言うべきだろうか。 『しししっ……!』 彼女を嘲笑うハーヴェストの声にタバサが頭を上げると、ハーヴェストの一部が何やら細長い何かを持っているのが見える。 それを見た瞬間、タバサは自分の身に何が起きたのかをはっきりと理解した。 「いかん……!」 タバサの異変を見て取ったツェペリが速度を上げ、倒れ伏した彼女へと近付く。 「波紋疾走(オーバードライブ)!!」 そして右手を振り上げ、彼女の体に纏わり付いているハーヴェストに向けて波紋を叩き込む。 「う……くぁ……っ!」 ハーヴェストを通して、タバサの全身に波紋が流れて来る感覚が伝わって来る。 彼女の体に張り付いていたハーヴェスト達は、彼女の体にくまなく流れる波紋エネルギーを受けてたまらずに跳ね飛ばされて行く。全身の神経が混濁する中で、急に外から明確な刺激を与えられたことにタバサは不快感を隠せずに声を漏らした。 「タバサ!しっかりしろ、大丈夫か!?一体ヤツに何をやられたんだ!?」 「……どうやら、こいつを体の中に流し込まれたらしいな」 駆け寄ってきた噴上裕也に、ツェペリは先程ハーヴェストが運んで来た細長い物体を拾い上げて言う。 「こいつは……旦那の持ってたワインじゃねーか!?」 「そうだ。体内に直接アルコールを流し込めば、それだけで激しい酩酊効果がある…… つまり彼女は今、酔っ払っていると言うわけだ。それも酷い泥酔状態だな」 取り返した自分のワインボトルをしまいつつ説明するツェペリの言葉が正しいことは、今、噴上裕也が感じ取っているタバサの体が発するアルコールの「臭い」が証明していた。 「飲み過ぎには気を付けていたんだがねえ……それがこんなことになるとは」 「クソッ!こんな状態じゃあタバサに無理はさせられねえ! スタンドエネルギーの回復を待って、もう一度俺のハイウェイスターで……!」 「……大丈夫」 噴上裕也の言葉を制して、タバサは震える手で体を起き上がらせようとする。 体内を駆け巡るアルコールとハーヴェストから受けたダメージによって、そんな単純な動作も一苦労だった。 「タバサ!何が大丈夫なんだよ、そんなフラフラの状態で…!」 「……ツェペリさん」 傍らに立つツェペリの顔を見上げて、タバサは言葉を続ける。 「私を……連れてって」 「いいのかね?」 「うん」 自分の目を真っ直ぐに見つめて聞いて来るツェペリに、タバサははっきりと頷いた。 「わかった」 「ツェペリの旦那!」 非難めいた口調で叫ぶ噴上裕也に、ツェペリは厳しい視線を送る。 「フンガミ君、これは彼女の決めたことだ。先程私は彼女のアシストに回ると言ったばかりだしな。 彼女の意思は、出来る限り尊重させて貰うつもりだよ」 「………クソッ!」 そう宣言するツェペリの言葉に、噴上裕也は無力な自分に向けての怨嗟を込めて、吐き捨てる。 「わかった!わかったよ、だが俺も付いて行くぜ!もうすぐハイウェイスターのエネルギーも回復する。 次にまたタバサに何かあったら、今度こそ俺も手を出させて貰うからな!」 「いいだろう」 そう言って、ツェペリは片手で軽々とタバサの体を抱き上げて、再び乳母車を追って走り出す。 後に続いて走り出す噴上裕也に、タバサは軽く首を向けて、言う。 「……心配してくれて、ありがとう」 「…………!よせよ、俺は別に、礼を言われる程のコトはしちゃいねえ」 「いいの。ありがとう」 それは、タバサの心から思っていた本心だった。 面と向かって言われた噴上裕也は、気恥ずかしそうに頭をボリボリと掻き始める。 「……かぁ~!まァとにかくだ、俺達はまだあのガキを奪い返してねぇ。気合入れて行こうぜ、タバサ!」 「うんっ」 『やれやれ、お前さんがンなこと言われて恥ずかしがるような柄かよ』 「うるせえ!テメエもちったぁ気ィ入れろよ、デル助!」 そんな噴上裕也の態度に、デルフリンガーが呆れたような口調で口を挟んで来た。 「ま、その辺はとにかく……あまり時間が無いのは確かだね。私達は先に行かせて貰うよ」 「あ!おい、ツェペリの旦那!」 既にザ・フールのDISCによって生み出された霧は晴れ始めている。 一刻も早く決着を付けるべく、呼吸一つ乱さずに走っていたツェペリはその速度を一気に増して 走り去って行った。 「……ええいッ!」 自分より遥かに年長で、その上タバサを抱きかかえているにも関わらずに自分を遥かに上回る スピードで走るツェペリに内心舌を巻きながら、噴上裕也も彼らの後を追って走り続ける。 「う……ぐぅっ……」 「さてタバサ…!再び追い付いたのはいいが、今度はどうするつもりかね?」 「オギャア~!オギャッ、オギャッ、オギャア~~~!!」 これまでの騒ぎを知って知らずか、乳母車の中の赤ん坊は変わらずに泣き続けている。 辛うじて残っている霧の中で、透明の赤ん坊が移動する跡を目にしつつ、ツェペリは脇に抱える タバサに尋ねる。ただでさえ泥酔状態のタバサはツェペリに抱きかかえられた状態で、その上物凄い 速度で走られた為に、絶え間なく続く揺れによって脂汗を流して気絶しそうな程の最悪な気分に 陥っていたが、それでも何とか顔を上げて赤ん坊が生み出す透明の軌跡を見る。 「……これを」 そしてタバサは、先程から握り締めたままだった銀色の能力発動用DISCをツェペリに向けて差し出す。 「これを…このDISCを赤ちゃんの足元に向けて…投げて」 「足元……あのスタンド向けて、と言うことかね?」 タバサを抱える反対側の手でDISCを受け取って、ツェペリがそれを確認する。 「そう。……そうしたら」 次にタバサは危なげな動作で、それでもツェペリの体に触れないようにしながら腰のベルトから デルフリンガーを引き抜く。 『お?オレの出番か?』 「私が合図をしたら……すぐにDISCを発動させて」 他に装備するDISCが無かった為に、一応能力用に装備しておいたDISCを頭から出してタバサは頷く。 『あいよ。しかしそーゆー言い方をするってこたぁ、これからかなりギリギリの真似をしようって訳だな』 「……あなた達が、頼り」 タバサが神妙な顔を浮かべながら答える。 『フフン……お前さんにそこまで言われちゃあな、こっちもヤル気が出てくるってモンだぜ。 おうツェペリのおっさん!アンタも気合い入れてブン投げろよ!?』 「勿論だとも、デルフ君」 一度不敵な笑いを作ってから、すぐに表情を引き締めてツェペリは正面に向き直る。 「では――行くとするかッ!」 裂帛の気合と共に、ツェペリはタバサに指示された通りの場所へ銀色のDISCを投げ放つ。 ツェペリの膂力によって、DISCは古代インドで用いられたと言う投擲用武器のチャクラムの如く猛烈な勢いで飛んで行き、やがて赤ん坊のスタンド能力によって透明化され、見えなくなる。 「10……9……8……7……」 DISCが床に跳ね返って転がる音が聞こえない以上、どうやらタバサの狙い通りに乳母車の真下を走るハーヴェストの一体に差し込まれたようだ。タバサはそれを信じて、数を数えながら完全に頭から外した装備DISCをデルフリンガーの柄に押し当てる。完全に差し込むのは、まだ早い。 「6……5……4……3……」 ツェペリは何も言わずに、タバサを抱えてハーヴェストの群れとの距離を離さぬように走り続ける。 タバサの手に握られるデルフリンガーも、“その時”が来るのを無言で待っている。 「2…………1っ……!!」 そこでタバサは、力一杯にDISCをデルフリンガーの柄に差し込む。それと共にデルフリンガーは迷うことなく、そのDISCが宿しているエネルギーを自らの体内に吸収し、増幅して撃ち出した。 ――そして、0。 カウントが終わると共に、乳母車を抱えたハーヴェストが走っている位置から大爆発が生じた。 その爆発は周囲のハーヴェスト達を巻き込むと共に、その上に乗せられた乳母車をも爆風で宙に浮かび上がらせる。 「何ッ……これは!」 驚愕の表情を浮かべて思わず立ち止まるツェペリには構わずに、デルフリンガーから無数の糸が伸びて、前方へと吹き飛ぼうとしていた乳母車に絡まり付いた。 そしてデルフリンガーを握り締めているタバサがその手を力の限り自分の方へと引き寄せようとするのを受けて、デルフリンガーは糸が巻き付けられている乳母車をタバサ達の元へと引き寄せる。 そして少しでも落下の際の衝撃を殺せるように、出来る限り優しく乳母車を近くの地面に着地させる。 差し込まれてから10秒後に「破裂するDISC」をハーヴェストの一体に投げ込むことによって生じる爆発で乳母車を運搬するハーヴェストの群れを一掃、またそれによってハーヴェストが乳母車から手を離した所を「ストーン・フリーのDISC」の能力で糸を伸ばし、乳母車を掴み取って落下の衝撃を食い止める。 かなり乱暴な作戦だったが、タバサはそれ以外に手持ちのDISCでハーヴェストの大集団から乳母車を奪還する方法は無いと判断していた。 特にストーン・フリーのDISCは普通に能力を発動させていても乳母車を掴み取れなかっただろうが、 デルフリンガーの力を借りてその効果を増幅させてやれば上手く行く筈だと計算していた。 殆ど賭けに近い作戦ではあったが、結果として見事タバサの目論見通りに事が進んだのである。 「………しまった!」 だが、最後の最後でタバサは失敗した。 痛恨の表情を浮かべて、タバサは目の前の光景を見つめる。 ハーヴェストが破裂した際の衝撃で、赤ん坊が乳母車から投げ出されていたことに、タバサは気付かなかった。 いや、気付いていても反応出来なかったのだ。 その事実に気付いた時は、既にデルフリンガーに差し込まれて増幅されたストーン・フリーのDISCの 糸が、当初の予定通りに乳母車を掴み取るべく伸びていたのだから。 引き寄せた乳母車の透明化が解除されて行くのを目にしたた時には、もう手遅れだった。 そして、ザ・フールの霧に透明の軌跡を作りながら、赤ん坊が吹き飛んで行く先に広がっているのは―― 『水路かぁぁぁぁーっ!!』 迷宮内を縦横無尽に広がる「ナイル川」と呼ばれる水路に向けて、赤ん坊が落下しようとしている。 「…………っ!!」 「うおッ」 タバサは必死になって、赤ん坊を追おうとツェペリの腕の中でもがく。 しかし先程ハーヴェストによって体内に直接ワインを注入された体はまるで自由に動いてくれない。 彼女の剣幕にたまらずツェペリが抱きかかえる手を離した際に、タバサの体は無様に地面へと転がり落ちる。 「あぁっ……!あ……!!」 幾ら手を伸ばしても届く訳が無い。今までの人生において、少なくともタバサが三度経験した絶望―― 父親が暗殺された時。母親が自分を守る為に毒を呷って永遠に心を閉ざしてしまった時。 そして、トリステイン魔法学院の仲間達に敵として刃を向けてしまった時。 あの時の深く冷たい絶望が、拭いようの無い恐怖が、今再びタバサの胸に去来する。 自分のせいで。また、自分のせいで―― その絶望と恐怖は、いつしか自身に対する呪詛となってタバサの心を食らい尽くそうと広がり続ける。 そしてタバサの心に完全な止めを刺そうと、赤ん坊が水路へと墜落しようとする、まさにその瞬間。 「………っ!?」 落ちなかった。水面へと激突する音すら立てずに、赤ん坊の体は透明のまま水路の真上で静止している。 「ホギャア!ホンギャア!ホンギャア~!」 透明の為に顔までは見えなかったが、赤ん坊は先程と全く同じ様子で元気に泣いている。 その位置で赤ん坊を掴んでいる人型の腕が、彼女のスタンド能力によって少しずつ見えなくなって行く。 「――ハイウェイスター。やっと回復したぜ」 一度「臭い」を覚えてしまえば、そのスタンドは「臭い」の持ち主の所まで瞬間移動出来る。 自らのスタンドに赤ん坊の「臭い」を覚えさせていた噴上裕也が、タバサ達の背後でニヤリと笑った。 『んで?どーするんだよ、この嬢ちゃん。一緒に連れて行くのか?』 先程からタバサの胸に抱かれている赤ん坊の姿を見ながら、デルフリンガーが意見を求める。 僅かに残ったハーヴェストを全滅させて一旦休憩を取ることが決まってからと言うもの、タバサはずっと赤ん坊を抱いたまま離さないでいた。 自分のせいで命危険に晒してしまった申し訳なさと、その命が助かったことへの喜びで、胸がいっぱいだった。 そして赤ん坊を抱いたまま、何度もごめんなさいと謝り続けるタバサの姿に、その場にいた誰もが何も言うことが出来なかった。 タバサは泣いていた。 母親を守る為に、感情と共にかつての名前を捨てる決意をしてから、涙を流すのはこれが初めてだった。 泣いていたら、母を守れないから。泣き虫のままじゃ、強くなれないから。 それなのに、今は涙が止まらなかった。それでもいいとタバサは思った。 哀しみを捨てしまったら、泣くことまで忘れてしまったら、きっと人間は壊れてしまうのだと思ったから……。 そしてタバサの胸で抱かれる赤ん坊は、まだ少しぐずってはいたが、少なくとも近くにいるタバサ達を丸ごと透明化させてしまう程のストレスはもう感じていないらしい。 スタンドの影響も、せいぜいタバサの着ている制服が少し透明化して見えなくなっている程度だった。 「難しいな。この先、襲って来る連中はヤバくなる一方だろうしな。 そんな中で、このガキを連れたまんまってのは相当厳しいだろうな」 赤ん坊を抱きかかえているせいで、胸元が剥き出しになっているタバサの方へ出来る限り視線を送らないようにしながら、噴上裕也がデルフリンガーに答える。 「私も連れて行くのは反対だな。 フンガミ君の言う通り、これからの戦いにはこの子の存在は邪魔になってしまう」 そう同意するツェペリの言葉に、赤ん坊を抱いたタバサが非難混じりの視線を向ける。 だが当のツェペリは一向に気にした様子を見せない。 『ま、普通に考えりゃあそうだわな。かと言ってここまで苦労したってのに、置き去りにすんのもなぁ』 「託児所でもありゃいいんだがな。そうでなくても、誰が気の置ける奴に預けて面倒を見て貰うとか…… まあ、それが出来りゃあ苦労はしねえか」 冗談半分で呟いた噴上裕也の言葉に、タバサとデルフリンガー、そしてツェペリは顔を見合わせる。 心当たりが一つだけある。 気心の知れた相手で、職業柄家事万能で、しかも常に安全な場所にいる人物。 『……シエスタに頼む、ってのはどーだ?』 タバサとツェペリも考えていた内容を、そっくりそのままデルフリンガーが代弁する。 トリステイン魔法学院の学生寮の部屋でタバサ達を送り出してくれた、あのメイドの少女の顔が 二人と一本の脳裏に浮かぶ。 「そうだな……彼女に任せるなら安心だろうが、しかし」 「……戻れない」 タバサの呟きが、折角思い浮かんだ名案を完全に瓦解させてしまう。 今、彼女達が挑んでいるレクイエムの大迷宮は下りの為の階段しか無い一方通行だ。 シエスタのいる学生寮の部屋に戻る為には、最下層にいるこの大迷宮の守護者―― レクイエムと呼ばれる存在を打ち倒さねばならない。 そして今問題になっているのは、その最下層へ進む為に、この赤ん坊をどうすべきかという話だった。 ――本当にシエスタに頼めれば良かったのに。 落胆する一同に向けて、少し考える素振りを見せてから噴上裕也は口を開いた。 「……なあ。そのシエスタって奴なら、その赤ん坊の面倒を見てくれるって言うのか?」 『ああ。幾ら何でも、あいつなら連れて来た赤ん坊を放ったらかしになんざしねーだろ』 「そして、そいつはお前達とは顔見知りって訳か」 「そうだね。私も一度だけ会ったことがあるが、タバサとデルフ君達の方が付き合いは長いようだ」 噴上裕也の問いに対して、デルフリンガーとツェペリがそれぞれに答える。 再び思案の表情を浮かべてから、やがて噴上裕也は決然とした態度で言った。 「よし。それなら、俺がその赤ん坊を連れてシエスタって奴の所へ行ってみるぜ。 このガキを見せてアンタ達の事情を説明すれば、何とか信用して貰えるかもしれねぇしな」 「!」 『なんだとぉ…!』 予想外の噴上裕也の言葉に、タバサ達は目を見開いて彼の方を見やる。 「そうは言うが、フンガミ君。彼女の元へと行く為のアテはあるのかい?」 「心配ねえ。さっき、ハーヴェストの野郎が隠し持ってたブツの中に面白いモンがあった……ほれ」 頷いて、噴上裕也は人の記憶を封じた銀色のDISCを一枚取り出した。 「どうやらこのDISCを使えば、この大迷宮を一時的に脱出出来るらしい。 あんた達が言う、そのシエスタって奴の所までな。 俺がそのガキを抱いたまま使えば、一緒にこのダンジョンを抜けられるだろうさ」 噴上裕也が「ディアボロのDISC」と書かれたそのDISCをタバサ達に見せ付ける。 『んじゃあ何か?この嬢ちゃんを連れて帰るってことは、オメーはここでリタイヤって訳かい?』 「……ああ、そうなるな」 どこか冗談交じりに言った筈のデルフリンガーの言葉に、噴上裕也は神妙な顔で頷いた。 「悔しいけどよォ、俺がこんなことを言うのも、もうこれ以上はアンタ達の力になってやれそうにねぇ…… そう思ったからなんだ。 あんな虫みてーなチンケなスタンド相手にも、俺のハイウェイスターは手も足も出なかった…… これ以上アンタ達に付いて行った所で、逆に俺の方が足手まといになるんじゃねーかって、そんな気がしてな…。 アンタ達を見捨てるような、スゲーカッコ悪いことを言ってるってのはわかってる。だが……」 「…………いい」 拳を固く握り締めて言葉を続ける噴上裕也に、タバサは顔を上げながら言う。 「気にしないでいい。その気持ちだけで、充分」 「タバサ……すまねぇな、情けないこと言っちまって」 「ううん。これ以上、あなたを巻き込めない」 「……本当に、すまねえ」 赤ん坊を抱きながらこちらを見上げて来るタバサに対して、噴上裕也は心から深く頭を下げた。 『顔を上げろよ、フンガミ。お前、本当はタバサの胸が見たいんだろーが。無理すんなよ』 「うるせえよデル助。……だがま、確かにお前の言う通り、見たいってーのは否定しねーよ」 デルフリンガーにそう返しながらも、噴上裕也はついっとタバサの胸元から目を逸らす。 「フンガミ君、先程の君の言葉は「恐怖」から出た物だ。 そして今のは「恐怖」を克服した者の言葉では無い。君は「恐怖」に負けたのだ」 厳しい瞳で噴上裕也を見据えながら、ツェペリが言う。 「だが――」 そこでふっ、とツェペリは表情を崩して言葉を続ける。 「君はそれを知っている。自らの内にある感情の正体が「恐怖」であるということをな。 そして、その中で自分が考え得る最善の道を選ぼうとしている。 そのことを責める者は誰もいるまい……私でさえ、責めることは出来ないさ」 「……ツェペリの旦那」 「この赤ん坊を頼むよ、フンガミ君。君は確かに我々の力になってくれているのだ。 何処へいようと、君は私達の「仲間」なんだ。それは紛れも無い「真実」なんだよ」 噴上裕也の肩を力強く掴んで、ツェペリははっきりとそう言った。 『ヘッ……!まあ気にすんなよ、フンガミ! これからもタバサはオレ様が守ってみせるさ!ツェペリのおっさんもいることだしな』 「ツェペリの旦那……デル助……」 瞳に何か熱い物を感じながら、噴上裕也は大きく頷いた。 「ああ、わかったよ!このガキのことは俺に任せろ。だから二人共、タバサのことをくれぐれも頼んだぜ」 そして噴上裕也は、タバサの方を振り向いて真正面から彼女と向き合った。 「気を付けてくれ、タバサ。この先はそれこそ何が起こるかわからねぇ…… だが、俺はお前のことを信じてる。そして待ってるぜ、お前が無事に帰って来るのをよ」 「…………うん」 そこでタバサは立ち上がって、彼と同じように噴上裕也を真っ向から見据えて、言う。 「本当に……ありがとう、ユウヤ」 そう答えるタバサの顔に、今初めて見る笑顔が浮かんでいたのを、噴上裕也は確かに見た。 「……それじゃあ、名残惜しいが…タバサ、その赤ん坊を」 「うん」 タバサが差し出した赤ん坊に、噴上裕也が手を伸ばす。 そして彼の手が赤ん坊に触れようとした瞬間。 「ふぇ……?ふ、フギャア!フンギャア!フンギャア~~~!」 「うおぉッ!?」 慌てて噴上裕也が手を離そうとするが、その前に彼の手が先端から透明になって 見えなくなっていく方が早かった。そして赤ん坊の泣き声と共に、透明の範囲が次々に広がって行く。 「これはこれは…フンガミ君、あまりこの子に好かれてないようだねぇ。 いや、それとも彼女がタバサに懐き過ぎているのかな?これは」 『おい……フンガミ!女に優しいってぇーテメエのポリシーはどうしたよ!?』 「うるせー!かぁ~ッ、今までガキには興味ねぇつもりだったが、こりゃ考え方を考え直す時かァ!?」 「ホンギャア~~~~!!」 先程までの静寂が嘘のように、その空間が蜂の巣を突いたような騒ぎに包まれる。 そんな中で、泣き喚く赤ん坊を抱くタバサは、一人静かに、何かを口ずさみ始める。 「ひとつ願いごと――叶うとしたら――優しい腕の中、声を聞かせて――」 それは遠い昔に聞いた、懐かしい旋律。 夜、ひとりぼっちで寂しい思いをしていた時に、母がそっと自分を抱き締めながら聞かせてくれた歌。 闇の中で自分が怖がらないように、その手で優しく包み込みながら歌ってくれた、子守唄。 「あの日、抱えてた花は枯れたの――そんな胸の奥、誰も知らない――」 この歌は、母と過ごした大切な思い出の象徴。 自分と母とを、今でも結びつけてくれていることを、証明する言葉――。 「散った花びら――そっと拾い集めたら――」 微笑みを浮かべながら、優しげに――そしてどこか悲しげに、彼女は歌い続ける。 その歌を聴いて、泣き叫んでいた赤ん坊も次第に声を小さくして、やがて笑顔を取り戻して行く。 今、この場にいる誰もが、耳を済ませて彼女の歌声を聴いていた。 「青い翼広げ飛んでゆく――風が誘う、天と地へ―― どうかこの願い、叶うなら――魔法など――私にはいらない――」 またすぐに、戦いの時はやって来る。それと共に、大切な人達との別れも。 だけど、今だけは。今だけはそれを忘れたかった。 今、確かにここにある、この安らぎの時間は、誰にも壊せないものだから。 大切な人達と過ごしている掛け替えのない一瞬を、記憶という永遠の中に閉じ込めたかったから―― ゼロの奇妙な使い魔「タバサの大冒険」 To be continued…… 第7話 中編 戻る
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タバサ 《出典作:ウォーザード、SNKVS.CAPCOMSVCCHAOS、ポケットファイター》 VS. 対アッシュ・クリムゾン【KOFシリーズ:SNK】 「能力のコピーでは無く「盗む」能力…!厄介な力ですが、戦闘中に実行できない所を見るとクリアせねばならぬ条件もシビアと言う事か…いずれにしろ興味深い…!」※投稿・管理人 対一条あかり【月華の剣士シリーズ:SNK】 「これがオンミョウジ…東洋のデビルサマナーに出遭えるとは僥倖!もう少しサンプルの入手が望ましいのですが…立てますか?」※投稿・管理人 対いぶき【ストシリーズ:CAPCOM】 「私も暗器を操るニンジャを一人存じておりますが、あなたをニンジャのスタンダードとすると、やはり彼は別格のようですね」※投稿・管理人 対オロチ【KOFシリーズ:SNK】 「どうやら私の力では…氷山の一角を退けるのがやっとか…完全に封じるには特別な能力が複数不可欠と推察出来ます…」※投稿・管理人 対鑑恭介【ジャスティス学園シリーズ:CAPCOM】 「君達、一般で言われる所の優等生が修める学問など、超近代魔学から見れば路傍の石以下の価値と意味もありません」※投稿・管理人 対神楽ちづる【KOFシリーズ:SNK】 「特技封印能力…詰まる所の沈黙魔法…私にとっては非常にアキレス腱。封じられる前に決着が付いて何よりでした…」※投稿・管理人 対風間火月【サムスピシリーズ:SNK】 「どうも妖気を感じるその炎が気がかりです…貴方の事は記憶に留めて置きましょう」※投稿・管理人 対ガロン【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「ライカンスロープは血統によるものと呪術的なもので二分するのですが、貴方の場合はどちらでしょうね?」※投稿・管理人 対ギル【ストⅢシリーズ:CAPCOM】 「炎と氷…相反する二つの能力を行使する力は認めましょう…しかしそれでポテンシャルの全てを使い切ってしまうとは根本的に属性魔法に向いてなかったと言えますね」※投稿・管理人 対草薙京【KOFシリーズ:SNK】 「ただ炎を操る…その程度で異能力を気取っているようなら、魔道学から見れば失笑ものと言えますね」※投稿・管理人 対K´【KOFシリーズ:SNK】 「…他人の力をわざわざ移植してまで単なる火炎放射を…なんというか、色々悲惨な方ですね」※投稿・管理人 対ケン・マスターズ【ストシリーズ:CAPCOM】 「申し訳ないですが、オーラユーザーやパイロキネシス程度の能力者に時間を割くほど、暇でも未熟でもないのでこの辺で失礼します」※投稿・管理人 対サスカッチ【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「UMA…未確認動物…ただ見つからなかっただけの獣ですね。多少は人語を解するようですが…それ以上でもそれ以下でも有りません」※投稿・管理人 対サノス【マーヴルVSシリーズ:CAPCOM】 「ジェム…?…マジックアイテムの力を借りねば魔法一つ放てぬとは…!恥と言うものを知りなさい!!」※投稿・管理人 対ザベル・ザロック【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「ネクロマンサーに操られている様子も無く、不規則に徘徊するでなく、意思を持ったゾンビ…少し調べる価値が有りそうですね」※投稿・管理人 対不知火舞【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「その衣のドコから無尽蔵ともいえる扇子を取り出しているのか…恐らくは四次元へと通じるマジックアイテムと推察できますが…」※投稿・管理人 対バレッタ【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「折角ダークストーカーズとの邂逅が計れる機会に、腹黒さだけがとり得のハンター風情に暇を割くなど野暮というもの…これにて失礼」※投稿・管理人 対ビシャモン【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「やはり中身はもぬけの殻…錬丹術とは無関係か…恐らく古(いにしえ)のマジックアイテム…サンプルとして刀共々頂いておきましょう」※投稿・管理人 対ブランカ【ストシリーズ:CAPCOM】 「進化しそこねた類人猿の子孫…それにしては体表の色と電撃性質の説明が…え?公式大会にも出場して人目に出ている!?そ、それで何も騒ぎがおきていなのですか!?」※投稿・管理人 対炎のさだめのクリス【KOFシリーズ:SNK】 「メタモルフォーゼ!?…いやシャーマニストか?自在ではないにせよガイア足るオロチを憑依させるとは…いや、自在でないのだから寄代にされているだけの犠牲者か…」※投稿・管理人 対ミズチ【ネオコロ:SNK】 「思念体でありDNAなど存在しない『オロチ』を不完全ながら再現するとは…現代科学もそう捨てた物では無いようですね」※投稿・管理人 対無界【KOF2003:SNK】 「見覚えのある容貌だと思いましたが、本当に『遥けし彼の地より出る者』とは…古文書に寄ればとうの昔に絶滅したはず…これは調べる価値があるようです」※投稿・管理人 対八神庵【KOFシリーズ:SNK】 「ガスバーナーなどに見られる青い炎は赤い炎の数倍の熱量ですが、貴方のそれは単なる色違いの様子。レア度は認めますがそれだけです」※投稿・管理人 対矢吹真吾【KOFシリーズ:SNK】 「今更普通の人間などに興味有りません…未来人、宇宙人、超能力者などは是非私の前に現れなさい!」※投稿・管理人 対妖怪腐れ外道【サムスピシリーズ:SNK】 「人類からモンスターへと変異した希少例…!これは進化なのか、はたまた…」※投稿・管理人 対レラ【サムスピシリーズ:SNK】 「ふむ…成るほど…極度のストレスが産んだ変則的なドッペルゲンガーと言った処でしょうか。そこそこ珍しい症状なのでサンプルに連れ帰るとしましょうか」※投稿・管理人 &.
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タバサ 初登場話 17 Lapislazuli Garden 登場話数 16話(多部作を含むと25) 現在状況 二日目の朝時点で生存 現データ 第285話ありとあらゆる呪いを解く程度の呪文時点 初期支給品 バルディッシュ 所持スキル 説明 魔力 魔力を有し、呪文を使うことができる。広域攻撃魔法や状態異常魔法に優れる。 戦闘技術 冒険で培った能力。さまざまな武器を扱ったり、効果的な戦闘をすることができる。 冒険者 常日頃から旅をする者。有効な休息法などを知ってるかもしれない。 魔物使い 父から受け継いだ魔物と心を通わす能力。動物や魔物、地縛霊の言葉がわかる。 状態把握 相手の限界を見極め、必要以上の力を使わない技術 自衛 襲い掛かってきた魔物はたくさん殺してきた。人を殺した経験は無い。 キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 解説 初遭遇話 レックス 仲間 元世界の双子の兄。 ロワ内では再会していない。 バルディッシュ・アサルト 仲間(物) 自身に支給された杖。魔法少女リリカルなのは出典。 17 Lapislazuli Garden 蒼星石 仲間 一番最初に出会った仲間。出来れば再開したかった。 17 Lapislazuli Garden イシドロ 仲間 敵だったが、後に仲間に。罪悪感を背負っている。後に桜の下に埋葬 69 変わらぬ微笑み 白レン 険悪 仲間だったが、裏切られた。 85 後悔は後で悔いること リリス 敵対 襲撃され、なんとか撃退した。 160-1 リリス乱舞/斬、そして……(前編) グリーン 敵対 リリスの仲間。なんとか撃退した。 160-1 リリス乱舞/斬、そして……(前編) 太刀川ミミ その他 棺桶に入れたり自分の所為で死なせたり酷い事をした、と重い罪悪感。 209 キアリクは効きますか? 金糸雀 仲間 蒼星石の元世界の仲間。後に桜の下に埋葬。なぜかあった腕は小太郎が所持 227-2 Humpty Dumpty had a great fall. 真紅 仲間 片腕のみ発見。後に小太郎が所持。 227-2 Humpty Dumpty had a great fall. ククリ 仲間 金糸雀の仲間の回復呪文の使い手(と思っている)。後に桜の下に埋葬。 227-2 Humpty Dumpty had a great fall. トリエラ 仲間 金糸雀の殺害犯だと誤解したが、和解。しっかりと情報交換をした。 227-3 All the king s horses, 犬上小太郎 仲間 市街地に残してきた。心配。 227-4 And all the king s men, 雛苺 不認知 蒼星石の元世界の仲間。姿は見てないが上空ですれ違った。殺し合いに乗っている模様。 227-4 And all the king s men, 木之本桜 不認知 姿は見てないが上空ですれ違った。 227-4 And all the king s men, レミリア・スカーレット 敵対 QBとの戦いを目撃。接触はしていないが、危険人物と認識 228 鉄鎚は語る グラーフアイゼン 仲間(物) レミリアが落としたらしい。現在はトリエラが所有。魔法少女リリカルなのは出典。 228 鉄鎚は語る ヴィクトリア=パワード 不認知 バルディッシュが反応だけ確認。今は太刀川ミミの姿をしているらしい 285 ありとあらゆる呪いを解く程度の呪文 シャナ 中立 しろがねの呪いがかかってる?トリエラの敵で、小太郎の仲間。 285 ありとあらゆる呪いを解く程度の呪文 アラストール 友好 シャナの所持品。現在は自分が持っている。灼眼のシャナ出展 285 ありとあらゆる呪いを解く程度の呪文 最終状態 【H-3/道路沿いの民家/2日目/朝】 【タバサ@ドラゴンクエスト5】 [状態]:健康、右頬に細く浅い切り傷、悲しさをごまかすためややハイテンション [装備]:バルディッシュ・アサルト(待機状態)@魔法少女リリカルなのは(カートリッジ残数2/全快) 、コキュートス@灼眼のシャナ [道具]:支給品一式×2(パン一個、水少量を消費)、手榴弾×2、ヴェルグ・アヴェスター@Fate/hollow ataraxia 楼観剣(鞘なし)@東方Project、あるるかん@からくりサーカス シャナの支給品一式(水少量、パン一個消費)、包帯 [思考]:これが本当に呪いならいいんだけど…… 第一行動方針:ひとまずシェルターを目指す。トリエラと連絡を取りたい。 第二行動方針:アラストールと情報交換。シャナは警戒。 第三行動方針:シャナの呪いを解く。シャナクや十字架が聞くかもしれない。 第四行動方針:市街地に残した小太郎が気になる。 第五行動方針:ヴィクトリアを最大限警戒。他の人間の姿になっていることも考慮する。 第六行動方針:蒼星石…… 第七行動方針:余裕があれば洞窟の調査 基本行動方針:レックスを捜索する 最終行動方針:レックス達とゲームからの脱出 [備考] 「ドラゴンクエスト5」内でタバサが覚えている魔法は全て習得しています。 アラストールからシャナの事情を聞きました。 アラストールはタバサの兄がレックスだと気付いていません。 踏破地域 D-3(森)→C-3(塔)→D-1(道路)→H-1(デパート)→G-1(街路)→G-1(民家)→F-1(桜の木と東の橋の間)→G-1(民家)→H-3 A B C D E F G H ■■■□□□□□1 ■■□□■■■□2 ■■□□■■■□3 ■■■■■■■■4 ■■■■■■■■5 ■■■■■■■■6 ■■■■■■■■7 ■■■■■■■■8 考察 85 後悔は後で悔いることにて塔にはそれぞれ重要な秘密があり、 調査する必要があることを述べている。 情報 17 Lapislazuli Gardenにて蒼星石と元の世界での自分たちについて話している。 94 ようこそ悪いユメの中にて蒼星石の能力について聞いている。 209 キアリクは効きますか?にてバルディッシュが 少なくともフェイトが自分のマスターであるということを蒼星石とタバサに話していたことが判明。 その他の知り合いについて聞いているかは不明。 228 鉄鎚は語るにてトリエラのご褒美でQBから金糸雀を殺した相手がヴィクトリアだと聞いている。 231 幻影(前編/中編/後編)にて、小太郎とトリエラとグラーフアイゼンとしっかりした情報交換をした。 また、蒼星石から致命的かつ激しい誤解を受けていることが発覚。 実は倫理や常識に著しく欠ける行いに対し、多くの罪悪感を抱いている事をひた隠しにしていた事が発覚した。 また、それを犬上小太郎のみに気付かれた事で彼に全てを打ち明けている(バルディッシュも把握)。
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五歳ほどの少女が、息を切らして森の中を駆けていた。 「はぁ、はぁ、はぁ」 荒い息が、とっぷりと日の暮れた森の中に響く。 少女は後悔していた。母の忠告が甦る。 「恐ろしいのはメイジだけじゃない。そのメイジに使える使い魔も同じだ」 そう言っていた母が、大丈夫だよ、と笑っていた父が、 彼女の目の前でメイジに殺された時のことを思い出した。 風の刃で切り裂かれた母と、巨大な火球で焼き尽くされた父。 ぶるりと身を震わせながら、少女は森の中を走り続けた。 ……二ヶ月前から、この近くで少女は狩りをしていた。 獲物を喰らわねば、いずれは死ぬ。『人』と同じだ。 こんな姿でいれば、相手は油断し、容易く狩ることができる。 そう思っていたのに、今、彼女は獲物だったはずの存在から追われている。 『ガガガッ』 「ひぃっ!」 彼女の真後ろに、氷の矢が突き刺さる。 それを放った存在は、確実に彼女を追い詰めていく。 美しい金髪を振り乱し、愛らしい顔をぐしゃぐしゃに歪ませ、 こけつまろびつしながら少女は森の中を逃げ続けていた。 「死にたくない、死にたくないよぉ……!」 自分は悪くないのに、どうしてこんな目に遭うのか。 後ろから自らを切り裂こうと襲ってくる存在は、答えては、くれない。 「助けて! 助けてぇ!」 彼女がそう叫んだ瞬間。木陰から、ぬっと手が伸び、腕を掴んだ。 「いやあああああああっ!」 絹を裂くような悲鳴を上げると、少女は気を失った。 腕を掴んだ男は、そのままそっと彼女を抱き上げた。 涙や泥で汚れた顔を、布で拭って綺麗にする。 「……さて、お前の主はどこだ」 梢に止まった追跡者を、睨み付けた。 鋭い眼差しの猛禽類。体の大きさ的には、ハヤブサに分類されるだろう。 追跡者――こいつの名はペット・ショップ――は、 目の前に突如として現れた男を前に逡巡していた。 今仕えている主からの命は『標的の殺害。但し他者へ危害を加えてはならない』だ。 この男が、彼女を抱えている限りその命の達成は不可能である。 こんなことなら、久しぶりの闘争と殺戮に心躍らせ、 じわじわと相手を追い詰めるような狩りをするのではなかった。 自らの行いを反省しながら、彼は一際高い声で鳴いた。 主を呼び、その指示を求めるためである。 「あなたは、一体何?」 年若い少女は青いウロコをした竜から降りると、杖を構えた。 この年にして、すでに数え切れぬ修羅場を潜ってきた少女は察する。 目の前の男は、只者ではない、と。 「……人に名前を尋ねる時は、自分から名乗るのが礼儀ではないかね」 闇夜に溶け込むような黒髪をした男は、少女へ告げる。 「……タバサ。ガリア王国北花壇騎士団七号、タバサ」 この名が、裏ではわりと知られた通り名であるという自覚はある。 だから、あえて北花壇騎士、と名乗った。 「成程。凄腕の騎士がいると以前一緒に仕事をした傭兵仲間に聞いたよ。 そいつも、北花壇騎士でね。セレスタンというのだが知らないか?」 「質問に答えて。あなたは、一体何。何故、その子を助ける」 「森の中で、子どもが助けてと叫んでいたら助けるものだろう」 嘯く彼に、タバサは告げる。 「その子は吸血鬼。この先にある村を襲っていた。 私は村人の依頼で、その子を倒さなければならない。邪魔をしないで」 彼はしばらく押し黙っていたが、やがて笑みを見せながら答えた。 「だが断る、と言ったら?」 その口元には、鋭い牙が覗いていた。 「……ッ! あなたも、吸血鬼!」 タバサは咄嗟にルーンを口ずさむ。空中の水分が凍結し、氷の矢となり、彼を襲う。 それに呼応するように、ペットショップも氷柱を吐き出した。 一瞬の土煙。晴れたそこに、彼は見当たらない。 「そんなに怖がることはないだろう。……少し、話をさせてもらいたい」 タバサは慌てて後ろを振り向いた。気がつけば、そこに彼が居た。 いつの間に、と思う。声も出なかった。 魔法を唱えても、この位置であれば彼に攻撃される方が先だろう。 ペットショップもそう思うらしく、ただ彼を睨むだけだ。 「話とは、何」 どうにか隙を作ろうと、タバサは彼に問いかけた。 「この子を、私に預からせて欲しい」 「何のために」 男は、ふっと笑うと腕の中の少女の頭を撫でた。 金色の髪を白い指先で優しく撫で梳く。 パパ、と小さく呟いて、少女が頬を彼の胸にすり寄せた。 「実は、先程の君たちの会話を、聞かせてもらっていた。 この子は、エルザは親を亡くしているのだろう?」 タバサがこくりと頷いたのを見ると、彼は話を続けた。 「ずっと以前。私がまだ吸血鬼になる前の話だ。 ……おや、ずいぶん驚いたみたいだね? 私の居た場所では、人間が吸血鬼になることもあったんだ。 私は、知り合いに託されて、一人の女の子を育てていた。 彼女は吸血鬼に両親を殺されて、吸血鬼をとても恨んでいた。 自分の親を殺した、自分と異なる存在を恨む……。 不思議なほどにエルザと彼女が、重なってみえた」 彼は遠い昔に学んだ知識を思い出す。 エルザの綴りは彼の知る限りでは『Elsa』。 そしてそれは、彼がかつて育てた娘の名前の略称の一つであった。 「そう思えてしまったら、どうしても見過ごせなくなった。 彼女に、決して罪の無い人間は襲わせない、と誓おう」 だから、と彼は告げた。 「どうか、私達を見逃してくれ」 男が頭を下げる。タバサはじっと彼を見つめた。 そして、自身の選択を知らせるため口を開いた。 「お姉さま! ダメじゃないの!」 背に主人を乗せた青い竜――シルフィード――はぷりぷりと怒りながら首を横に振った。 「もう! あの吸血鬼が本当にいい奴かもわからないのに! ほいほい言うことを信じてしまうなんて、呆れるのね! きゅいきゅい!」 結局。タバサは彼の言うことを信じて、エルザを託したのだ。 あの占い師の親子が吸血鬼だった、と村長をはじめ村人には説明した。 親子には申し訳ないが、そう説明するのが一番簡単だったからだ。 「おじいちゃん、今までありがとう」 エルザは、ぎゅっと村長の首に抱きついた。 彼女は厚手のローブをまとっていた。日に当たらないためだ。 「彼女のことは、私が面倒を見ます」 エルザの親戚の振りをした男は、エルザを抱えると去っていった。 「彼の……『ストレイツォ』の目は嘘をついていなかった。信用できる」 本を読みながら、タバサはこともなげに答える。 彼らは、これからアルビオンを目指すのだという。 あそこでは戦争をやっている。人の血に不自由はしないだろう。 吸血鬼の力があれば、そうそう死ぬこともあるまい。 「きゅいきゅい。本当、お姉さまったらお人よし!」 未だに腹を立てるシルフィードへ向けて、ペットショップが鳴く。 どうやら、主の選択を非難する彼女を咎めているようだ。 「うう、わ、分かってるのね。お姉さまがお人よしだったから、 あんなことになってたシルフィも助かったのね。 まったく、ペットショップのお兄さまったら手厳しいですわ、きゅいきゅい」 風韻竜であるシルフィードは、伝説旧の奇特さ故に竜と認識されず、 暴走したガーゴイルとして扱われ、倒されそうになったのだ。 それを、タバサがかばい、今ではすっかりお姉さまと慕うようになったのである。 なお、ペットショップよりタバサとの付き合いは長いが、彼の眼光に負け、 以降、彼のことはお兄さま、と呼んでいる。 「……ふーんだ。シルフィ、本当のことを知ってるからいいんですわ」 すねたように、シルフィードが呟いた。 「あの人、人間の目から見ればとっても整った顔立ちをしてらっしゃいましたよね」 ぴくり、とタバサが身を震わせる。 「お姉さまったら、『面食い』でいらしたのねー、きゅいきゅい」 「違う」 タバサは否定する。 「違わないのね~お姉さまは面食い~る~る~るる~」 からかうように、シルフィードが歌う。 その頭を、タバサは杖で小突いた。 「あ、痛い、本当のこと言われたから怒ってるのね!」 「違う」 「違わない」 「違う」 言い争いを始めた二人を、ペットショップは眺め、退屈そうに欠伸をした。 まあ、こんな穏やかなのも、悪くは無いな、と思いながら。 一人と一頭と一羽の賑やかな空の旅だった。
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~レクイエムの大迷宮 地下8階~ 「……ツェペリさん、は?」 右肩の痛みに顔を顰めながら、タバサは先程からもう一方の敵と一人で戦っていたツェペリの姿を探す。 「心配すんな。ツェペリの旦那なら、ほれ。あそこだ」 タバサの手当てを続けながら、噴上裕也は軽く首を振ってツェペリの居場所を指し示す。 普段通りの飄々とした態度を崩さずに、それどころか片手でたっぷりワインの注がれたグラスを弄びながら、ツェペリは身の丈2メイルを越える程の巨漢の攻撃を紙一重の動きで避け続けていた。 『おでれーた。余裕綽々って奴だな……人間って奴も鍛えりゃあそこまでの動きが出来るのか』 「全くだ。おかげで下手にハイウェイスターで割り込んだら、逆にこっちが足手まといになりそうだ」 先程のラバーソウルとの戦いで発動させたハイウェイスターはそのままに、噴上裕也はデルフリンガーと共に驚嘆の表情を浮かべながらツェペリの動きを見守っていた。 無論、万が一ツェペリが倒されたら即座にハイウェイスターを叩き込んでやるつもりなのだが、 目の前のツェペリがあの巨漢に敗れるという姿がどうしても想像出来なかった。 当のツェペリはタバサ達がラバーソウルを蹴散らしたことを察して、不敵な笑みを向けて来る。 「どうやら、もう片方の奴は倒すことが出来たようだね」 「おかげ様でな。タバサがまた怪我をしちまったが……とにかく、後はそいつをブッ倒すだけだな」 ハイウェイスターを前面に出して、噴上裕也は援護の用意があることをツェペリに知らせる。 彼の意図を察したツェペリは、逆に軽く首を振ってその必要はないと答えた。 「君はタバサの治療に専念してくれ。ま、こいつは私がチョチョイと片付けてしまおう」 ツェペリの言葉に、噴上裕也達は彼がそれまで戦っていた巨漢の姿を見上げる。 全身盛り上がった筋肉と、その瞳に満たされている知性とは程遠い、獰猛な攻撃の意思。 そして全身から放出する威圧感は、最早彼が人間を超越した存在であることをはっきりと示していた。 しかしそれでも、この男はツェペリの前に敗れ去る。その確信が、噴上裕也達にはあった。 「屠所の…ブタのように……青ざめた面にしてから、おまえらの鮮血の暖かさをあぁぁ味わってやる…!」 「切り裂きジャック…かつてイギリスを恐怖のドン底に陥れた殺人鬼。 そして今はただの屍生人(ゾンビ)か。 フフフ……こんな所でまたしても出会うことになるとは、世界とは狭いものだねえ」 「ウヒッ、ウヒヒヒヒヒヒ……どいつもこいつも…バラバラに切り刻んでやるぜ」 ジャック・ザ・リパーとも呼ばれるその巨漢が、丸太のように太い右腕を天上へと突き出した。 「絶望ォーーーーに身をよじれィ!虫けらどもォオオーーッ!!」 咆哮と共に、その指先から体内に隠し持った銀色のメスを突き出しつつ、ツェペリに向けて振り下ろす。 しかしツェペリは、放たれたジャック・ザ・リパーの右腕を軽く後ろに向かって跳躍し、あっさりと回避する。そしてそのまま、空中で片手に持ったワイングラスの中身を軽く口に含み―― 「波紋カッター!」 パパウパウパウ!パウッ! 歯の隙間から、超圧縮されたワインがジャック・ザ・リパーに向けて勢い良く吹き出される! ツェペリの波紋を帯びて刃のように鋭く固定化されたワインが、たった今振り下ろされたばかりのジャック・ザ・リパーの右腕を真っ直ぐに走り、ツェペリの胴程もある太さを持つその腕を綺麗に切断する。 「!」 「何だとォ…!?」 『ワインで腕をブッた斬りやがった…!おでれーた、これじゃあオレの立場なんてありゃしねえぜ!』 驚きの声を上げるタバサ達の声を背後に、ツェペリは綺麗な動作で地面に着地する。 「ウ…ウ…!UGOOOOOOOOOOOO!!!」 一瞬にして右腕を失われたジャック・ザ・リパーは激昂の雄叫びを上げ、今度は全身からメスを突き出しながらツェペリに向かって駆け出して行く。 「ノミっているよなあ……ちっぽけな虫けらのノミじゃよ!」 ツェペリは平然と、ジャック・ザ・リパーの体内から撃ち出されたメスをもう片方の手で持ったワインの瓶で弾き返しつつ、彼の戦いを見守っているタバサ達に向けて不敵な笑みを浮かべながら口を開く。 「あの虫は我我巨大で頭のいい人間にところかまわず攻撃を仕掛けて戦いを挑んでくるなあ! 巨大な敵に立ち向かうノミ……これは「勇気」と呼べるだろうかねェ?」 いいや、ノミどものは「勇気」と呼べんなあ。それでは「勇気」とはいったい何か!?」 「KUHAAAAAAAA!!」 メスを全て弾き返されたジャック・ザ・リパーが、今度は生き残った左手をツェペリに対して叩き付けようとする。しかし先程と同じように、ツェペリはその攻撃を何なく回避。 地面をも砕くかの如き勢いで振り下ろされたジャック・ザ・リパーの左腕は、まさにその勢いのまま床を突きぬけ、岩の様な左拳が地面へと埋もれる。 「「勇気」とは「怖さ」を知ることッ!「恐怖」を我が物とすることじゃあッ! 呼吸を乱すのは「恐怖」!だが「恐怖」を支配した時!呼吸は規則正しく乱れないッ! 波紋法の呼吸は勇気の産物!人間賛歌は「勇気」の賛歌ッ!人間のすばらしさは勇気のすばらしさ! いくら強くてもこいつら屍生人(ゾンビ)は「勇気」を知らん!ノミと同類よォーッ!!」 その瞬間、ツェペリが爆発的な勢いで、ジャック・ザ・リパーに向けてその脚を伸ばして行く。 その足には光り輝く波紋のエネルギー。屍生人(ゾンビ)に滅びを与える、太陽の光。 「仙道波蹴(ウェーブキック)ーーーーーッ!!!」 「GYAAAAAAAAA~~~~!!!」 猛烈な勢いで放たれたツェペリの蹴りと共に体内に波紋エネルギーを流し込まれたジャック・ザ・リパーが、断末魔の悲鳴を上げてのたうち回る。 体のあちこちに亀裂が入り、少しずつその巨体が崩壊を始めて行く。 「O……OGOOOOO~~~…!」 だが、地面から左腕を引き抜いて、ジャック・ザ・リパーは最後の抵抗を試みる。 それを受けてツェペリは大きく息を吸い込み、合わせた両手に再び波紋エネルギーを集中させる。 「恐れを知らぬ屍生人(ゾンビ)に掛ける哀れみは一切無し! これぞ太陽の波紋ッ!山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ)ゥゥゥーーーッ!!」 反撃する隙も与えぬまま、ツェペリは太陽の如き輝きを放つ波紋エネルギーをジャック・ザ・リパー目掛けて叩き込む。散滅するに足る決定的な量の波紋を流し込まれ、身も心も殺人鬼へと堕ちて行った男は、今度こそ抵抗すら出来ないままにその肉体を塵へと還して行った。 「これが戦いの思考の一つ――「恐怖」を我が物とすることだ」 一部始終を見守っていたタバサ達の方に振り返り、ツェペリはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。 「さて、結構な道草を食ってしまったが」 タバサの応急手当が終わってから、ツェペリは世間話でもするかのような口調で言った。 ジャック・ザ・リパーを倒した後、ゾンビ馬による縫合が終わったタバサの傷をより早く、そして確実に治療する為に、ツェペリの手によって彼女の体に生命活動を促進する為の波紋が流されていた。 「最初に私が波紋法に出会ったのも、元は医者が治療の為に使っているのを目にしたからさ」 とはツェペリの談であったが、おかげで今のタバサは、受けたダメージ自体は別にしても、右肩に走る痛みは大分和らげられていた。後は出来る限り栄養を摂って、安静にしていればより完璧に治癒するだろうと言う話だったが、休むにせよ、先に進むにせよ、まずはこの階層の敵を全て叩いて安全を確保しなくてはならない。 その為に今、階層内の敵の「臭い」を感じ取れる噴上裕也に、皆の視線が集中していた。 「フンガミ君、このフロアにまだ敵がいるかどうかわかるかね?」 「そうだな…さっきの連中みてーに胸クソ悪くなるような臭ぇー感じはしねえが、やってみよう」 噴上裕也は頷いて、この階層全体の「臭い」を捉えるべく、その嗅覚をより鋭敏になるよう集中する。 「クンクンクンクン……」 波紋の呼吸によって肉体を活性化させているせいか、歳の割には殆ど「臭い」を発していないツェペリや金属特有の錆臭さを発するデルフリンガーの匂いまでもが、噴上裕也には手に取るように感じられる。 そしてミルクのように柔らかくて甘ったるい匂いの中に、咽返りそうになる程濃密で突き刺さるような血の香りを発散しているタバサの匂いを捉えた時、噴上裕也の胸は痛んだ。 今でこそ平然とした顔をしているが、やはり彼女は確かに傷付いているのだ。 彼女自身がどう思っているかなど関係無い。目の前に傷付いた女がいて、自分はその女が目の前で傷付くのを止められなかったと言う事実に、噴上裕也は激しい憤りを覚える。 ――もうこれ以上、目の前で女が痛め付けられるのを見せられてたまるか。 決意を新たに固めて、噴上裕也は再び階層内へと嗅覚を向ける。 あのイエローテンパランスやジャック・ザ・リパーの死肉のように、反吐が出そうな悪臭を放つ存在は感じ取れない。だが、まだ出会っていない“何か”がいる。その「臭い」を噴上裕也は確かに捉えていた。 「ムゥ……」 更に嗅覚を集中する。今、自分が感じ取れる「臭い」は二種類ある。 一つはタバサよりも更に柔らかい印象の匂いだ。それ程強くは無いが、しかし確かにそこに誰かが存在しているのは間違いない。 そしてもう一つは良くわからなかった。「臭い」自体が階層全体に散らばっており、しかも余程意識して捉えなければ掴み取れないような、そんな微弱な反応がそこかしこに漂っている。 『どうだ?何かわかったか?』 「ああ…イマイチ確証は持てねえが、誰かいるのは間違いねぇ」 嗅覚の集中を解いて、噴上裕也はデルフリンガーにそう答えた。 『なんでぇ、頼りねえな。お前さんの自慢の鼻はその程度なのかよ?』 「うるせえな。並の奴じゃあ、こっから「臭い」自体を感じ取れねーっつーの」 「……誰かいるのは、確か?」 タバサが小さな声で噴上裕也に尋ねる。彼はああ、と答えて、先程捉えた「臭い」について説明する。 「フム…他にも誰かいるような気がするが、ハッキリとわかる「臭い」は一つだけ……か」 「探しに行く」 迷いの無い口調でタバサが断言する。 「そうだな…正体が不明だとしても、相手の居場所がわかっているならばこちらから仕掛けてみるのも まァ、悪くは無いかな」 タバサの言葉に、ツェペリも一応の同意を見せる。 『おう。タバサがそう言うならオレは何処までも付いてくぜ』 「お前は単にタバサに付いて行かざるを得ないだけだろーが、デル助」 『何だとう?じゃあテメエは付いて来ないってゆーのかよ?』 「馬鹿言え、俺がいなきゃ案内も出来ねぇだろ。俺も一緒に行くっての」 「……決まりだな」 全員一致の見解を見せて、その意志を再確認すべく一同はお互いにうむ、と頷き合う。 「出発」 タバサのその一言と共に、一行は噴上裕也の先導で「臭い」の発信源に向けて歩き出した。 「これが「臭い」の元……だな」 噴上裕也の案内を受けて、一同は特に何の障害も無く、目的の場所に辿り着いていた。 『おいフンガミ…お前さんの言う「臭い」の元ってのは、本当にこいつで合ってるんだろうな?』 「ああ、間違いねぇ。ただ、まさかこんなモンだとは俺も思ってもいなかったがな……」 おでれーた、と呟きながら噴上裕也は問題の「臭い」の発生源を見やる。 それは何処からどう見ても、それが何なのか識別できないような奇妙な代物だった。 只一つ、それがどう考えても“ヤバいもの”であることは、誰の目から見ても明らかだ。 「果てさて。こいつは一体どうしたものかな」 ツェペリでさえ、目の前の“ヤバイもの”を見下ろしながら顎に手を当てて思案を巡らせている。 その中で一人だけ、タバサは迷うことなく“ヤバいもの”へと手を伸ばして行く。 「……おいタバサ、何やってんだよ!?」 後一歩で“ヤバいもの”に触れようとしていた彼女の手を、噴上裕也が掴み取って静止する。 「何考えてんだお前はよォー… こんな“ヤバいもの”に下手に触ったら、何が起きるかわかんねーだろうが!?」 「大丈夫」 心配そうにタバサを見つめる噴上裕也の顔を見上げて、彼女は自信たっぷりに答える。 「大丈夫だから、任せて」 「大丈夫って、お前……」 『まあ、心配すんなよ、フンガミ』 タバサが腰に付けたベルトに固定されているデルフリンガーが、二人の間に口を挟んで来る。 『ここはタバサに――いや、このオレに任せな!今すぐこいつの正体を明らかにしてやるからよぉ』 「明らかに…って、お前……」 「出来るのかね?」 不安げな表情を浮かべたままの噴上裕也とは対照的に、ツェペリは冷静にデルフリンガーへ尋ねる。 『ああ、問題ねぇ。オレっちは前にもこーゆーブツを鑑定したコトがあるんでね』 「成る程。それが君の能力と言うヤツかね?」 『そーゆーこった。他にももーちょい力は持ってんだがよ、それはそん時までのお楽しみってヤツだぜ』 「ははは、それは頼もしい話だな」 ツェペリは鷹揚に笑ってから、未だにタバサの腕を掴んだままの噴上裕也へと顔を向ける。 「なあフンガミ君、ここは一つ彼に任せてみようじゃないか」 「ツェペリの旦那……」 「君がタバサを心配する気持ちはわかるが、ここはデルフ君の出番のようだ。君の出る幕じゃあ無い」 静かな口調で、それでもはっきりと厳しい態度で以ってツェペリは断言する。 しばしの沈黙の後、やがて噴上裕也は観念したように嘆息して、タバサの腕を掴む手を離した。 「……わかったよ。おいデル助、上手くやれよ。くれぐれもタバサを危険な目に遭わせるんじゃねーぞ!」 『ンなこと、テメエに言われるまでもねーよ! …さーて。んじゃまあ、とっととこいつの正体を拝ませて貰うとしよーぜ、タバサ』 「わかった」 まだ肩に傷が残る右手でデルフリンガーの柄を握り締め、タバサは反対側の手で“ヤバいもの”に触れる。それと共にデルフリンガーはタバサの左手を通して、目の前の“ヤバいもの”を認識するべく自らの精神力を注ぎ込んで行く。 やがて“ヤバいもの”が淡く光り輝いたと思った瞬間、その真の姿をタバサ達の前に現して行く。 森を包み込む霧が晴れるかのように、デルフリンガーの力によって“ヤバいもの”の姿が明らかになる。 パイプを組み合わせたような骨格、その周囲と中身をすっぽりと覆う華やかな色の布。 中に小さな物を収容するように作られたスペースには、ふわふわと柔らかそうな毛布が敷かれている。 『……なんだこれは』 「……乳母車だろ」 呆然と呟くデルフリンガーに、噴上裕也が気の無い返事を返す。 彼の言う通り、目の前にある“ヤバいもの”の正体はどう見ても乳母車にしか見えない物体だった。 「………赤ちゃん」 そしてタバサの一言で、一同の視線が乳母車の中にあるものに集中する。 その中では、毛糸の帽子を被って顔面に白粉のような物を塗られ、ただ分厚いだけのタバサのそれとは異なる妙に鋭角的で真っ黒なサングラスを掛けた、奇妙と言えばあまりに奇妙な風体の赤ん坊が毛布に包まれて眠っていた。 これによって、目の前にある物体が乳母車であることが、疑いようのない事実であると証明される。 「フム……フンガミ君が認識した「臭い」と言うのは、この赤ん坊のことだったんだな」 「そうなるな。しかし…どっかで見たことがある気がするな、この赤ん坊」 『ん?ひょっとしてお前のガキだったりすんのか?』 「バカ抜かせ!だけど確かに、この赤ん坊を見たのは杜王町だった気がするな…… 杜王町…赤ん坊……スタンド………そうだ!思い出した!」 大きく目を見開いて、噴上裕也は乳母車の中で眠る赤ん坊に顔を近づける。 「このガキ、仗助とアイツの親父が拾ったっつー赤ん坊じゃねーか!スタンド使いの赤ん坊だぜ! そーか、道理でどっかで見たようなキテレツな格好をしてると思ったら……!」 「…………ふぇ」 興奮気味に語る噴上裕也の声に、赤ん坊の体がピクリと反応する。 「うるさい。起こしちゃ駄目」 タバサは人差し指を口元に当て、非難めいた口調で噴上裕也に言う。 「あ?あ、ああ……すまねぇ、タバサ」 「しかし…この赤ん坊がスタンド使いだって? フンガミ君、こんな小さな赤ん坊までがスタンドを使える物なのかい?」 タバサ達と同じように赤ん坊を覗き込みながら聞いて来るツェペリに、噴上裕也は大きく頷いた。 「ああ。一度その才能に目覚めちまえば、スタンド使いに年齢なんぞ関係ねー。 コイツ以外にも、生まれて一年も経ってねえようなガキがスタンドを使ったって話もあるくれーだからな…… 俺は違うが、このガキみてーに生まれながらのスタンド使いって奴も間違いなく存在してるぜ」 「なるほどな。波紋とは異なる、個人の才能と言うヤツか……考えようによっては危険な能力だな。 この子のように幼い子供や、あるいは邪悪な精神の持ち主が歯止めを利かせずにその力を使えば、大層恐ろしいことになるやもしれんな」 「そうだな。俺の住んでた町にも、人殺しの為だけにスタンドを使うようなゲス野郎が大勢いたよ。 ま、そう言う奴らは仗助みてーな連中が一人一人片付けて行ったんだが……」 呑気に眠る赤ん坊の顔を見つめながら、噴上裕也は先程から自分の胸に引っ掛かっている何かを思い出そうとしていた。自分は今、何か肝心なことを忘れている。そして、それは何だと言うのだ? 赤ん坊を興味深げに見つめるタバサの顔を見ながら、噴上裕也は思案を巡らす。そんな時だった。 「…………ん!?」 極限まで発達した噴上裕也の“嗅覚”が、こちらに接近して来る何者かの「臭い」を感知していた。 「気をつけろ!誰かがこっちに近付いて来るぞ!」 「!」 噴上裕也のその言葉に、タバサとツェペリは赤ん坊から顔を離して即座に臨戦態勢を取る。 『おいフンガミ……そいつぁマジな話なんだろうな?』 「冗談でこんな話が出来るかよ。大マジだ、しかも数がわからねえ」 自分達を守るように、噴上裕也はハイウェイスターを発動させてデルフリンガーの問いに答える。 「小さな、それも同じ「臭い」をする奴らが一斉に集まって来てるって感じだ。 こんなコトは初めてだぜ……しかもマズイことに、俺達はそいつらに囲まれてる」 四方八方から今自分達がいる部屋に「臭い」が集まって来るのを自覚しながら、噴上裕也は言う。 「私達は袋の鼠ってことかい?フム…敵の正体がわからない以上、確かにそいつはマズイねェ」 「……見極める」 下手にこの部屋を動かずに、敵の正体を確認する。タバサは言いたいことはそれだった。 『ま、敵を迎え撃つのはいいんだけどなぁ……この赤ん坊はどうするよ? マジでオレ達が囲まれてるってんなら、こいつ色々とジャマになるんじゃねーのか?』 「確かに、邪魔だね」 デルフリンガーの言葉をツェペリはあっさりと肯定する。 「だが下手に狭い通路に打って出て各個撃破、と言うのも避けたい所だ。 危険も大きいが、結局の所はこの部屋で迎え撃つのが一番生き残る可能性が高いだろう。 東洋の諺で言う所の、背水の陣――さしずめこの赤ん坊が、我々にとっての背水になるのかな」 「はん…!イタリア人の癖に良くもまあそんな言葉知ってるよな、ツェペリの旦那」 「………来た!」 噴上裕也の言葉を遮るような形で、タバサが鋭く言葉を漏らした。 そして彼女の言う通りに、通路の奥から小さな影が部屋の中に足を踏み入れ、その姿を現して行く。 『見・ツ・ケ・タ・ゾ…!』 『奴ラガ…イタゾ…!』 『ヤバイモノヲ…持ッテルゾ…!』 『収穫…スルゾ…!』 『「ハーヴェスト」ノ…収穫ダゾ!』 そんな声が部屋の周囲全体から響き渡って来る。その刹那、無数の影が部屋の中に殺到して来る。 まるで亀の甲羅のように丸みを帯びた頭と胴体に二本の足、そして左右に二本ずつ腕を生やした姿。 僅か数cm程の大きさしか無いそのスタンドの群れが、タバサ達に向けて一斉に飛び掛って来た。 「……っ!クレイジー・ダイヤモンド…!」 装備DISCのスタンドを展開して、タバサは「ハーヴェスト」と名乗ったそのスタンドを叩き潰して行く。 だが、後から次々に湧き出して来るハーヴェストの大集団に対しては、全く有効打になっていなかった。 「ハーヴェスト…!?見るのは初めてだが、こいつらがそうだってゆーのかよォ~!」 話にだけ聞いたことのあるスタンドを前に、噴上裕也もハイウェイスターで彼らを追い払おうとする。 『うおぉ!こりゃなんつー数だよ!?おいタバサ、なんかのDISCでまとめて吹っ飛ばしちまうか!?』 「駄目…!皆が…巻き込まれる…!」 新しいハーヴェストを弾き飛ばしながら、タバサはデルフリンガーの提案を即座に却下する。 大迷宮の中に落ちている装備用DISCの中には、確かにその発動効果によって広範囲に渡って攻撃出来る種類の物も存在する。だが、今のタバサの側にはツェペリや噴上裕也、 それに乳母車の中の赤ん坊までいる。 彼らを巻き込むような形でのDISCの発動は出来ない。 今の段階ではハーヴェストを一体ずつ各個撃破して行くしかない事実を腹立たしく思いながら、 タバサはクレイジー・ダイヤモンドの拳を振るってハーヴェストを潰して行く。 『手ニ入レルゾッ…!』 『頂キダゾ…!』 「………っ!?」 クレイジー・ダイヤモンドの攻撃を掻い潜ってタバサの懐に潜り込んだハーヴェストの何体かが、タバサがこの大迷宮で手に入れたエニグマの紙等のアイテムの一部を奪って逃げ出して行く。 『頂イタゾッ…!』 『ラッキーダゾ…!』 『モットモット欲シイゾッ…!』 貪欲さを剥き出しにした声を上げるハーヴェストの塊が、タバサ達の頭上を飛び越えて行くのが見えた。 「な…何だとォーッ!?」 噴上裕也の叫びを意にも介さずに、ハーヴェストの群れはタバサ達三人が揃って背を向けている 空間に向けて着地する。 その場所には、噴上裕也が言う所のスタンド使いである赤ん坊が眠る、一台の乳母車の姿。 『貰ッ…タゾ…!』 『サイコーダゾ…!』 『ザマミロダゾッ…!』 『スカット…サワヤカタゾッ…!』 乳母車の足元に群がって来た大量のハーヴェストが、力を合わせることで自分の体長を遥かに越える乳母車を軽々と持ち上げる。そしてタバサ達の死角を突いて、乳母車を奪ったハーヴェストの大集団は全速力で今いた部屋から逃亡を始めたのだった。 「パウッ!……ヌウゥ、どうやらしてやられたようだな…!」 纏わり付いて来るハーヴェストを波紋カッターで切り裂きながら、ツェペリが痛恨の表情を浮かべる。 「ド畜生がッ!奴らの狙いはあのガキだったってコトか…!」 「それは少し違うな、フンガミ君…奴らの目的は我々の持っている道具を強引に奪い取ることだろう」 私のワインボトルも何時の間にか盗られてしまった。後に残ったのはこの空のグラスのみさ」 既に一滴のワインも残っていないグラスをチラ付かせながら、ツェペリは足元へと近付いて来る ハーヴェストに波紋エネルギーを乗せた蹴りを叩き込んで吹き飛ばす。 本来ならば、生身の肉体では精神エネルギーの顕現であるスタンドに触れることは出来ない筈なのだが、ツェペリが体得した波紋と言う生命エネルギーを接触させることで、スタンドにも影響やダメージを与えられることが今までの戦いで判明していた。 かつて、より効率的にスタンドの才能を発現させるべく、未知の物質で作られた弓と矢があった。 そして生前のツェペリが追い続けた、吸血鬼を生み出す石仮面―― これら二つは等しく、人間の内に秘められた未知のエネルギーを引き出す為の道具である。 そして、石仮面が生み出すエネルギーと正反対の作用を持つ波紋法の生命エネルギーもまた、人間の生命に深く結びついたパワーの一つ。 そう考えた時、波紋法とはスタンドと言う才能に近付くべく生み出された「技術」の表れであり、ついにその「技術」がスタンドの「世界」にまで入門して来たのだ――そう考えても良いのかもしれない。 「ギれるモンなら何でもいいってか!重ちーとか言うヤツ、相当意地汚いヤローだったみたいだな……!」 「……取り返す」 仲間の大半を乳母車の奪取に加わった為に、今タバサ達に纏わり付くハーヴェストの数は殆どいない。 タバサは残ったハーヴェストをクレイジー・Dで確実に掃討しながら、はっきりとした声で言った。 「赤ちゃんを、取り返す」 自分の欲望の為に、何も知らずに眠る子供ごと乳母車を掻っ攫って行ったハーヴェストに対しての憤りがタバサの声の中には含まれていた。クレイジー・Dの拳が、最後に残ったハーヴェストを叩き潰す。 「そう言うと思ってたぜ、タバサ。あのガキの「臭い」は既にハイウェイスターに覚えさせておいた。 念の為、自動操縦で先行させる。 俺も自分の鼻で奴らの動きを探って誘導するから、二人共俺に付いて来てくれ」 「わかった」 「うむ。任せたよ、フンガミ君」 噴上裕也の言葉に、タバサとツェペリが揃って頷いた。 「よし……行けッ、ハイウェイスター!くれぐれもガキの「養分」を吸ったりするんじゃねーぞ!」 噴上裕也の意志を受けて、人間型から足跡のみに姿を変えたハイウェイスターが時速60㎞の超高速で乳母車に眠る赤ん坊の「臭い」を追って駆け出して行く。 人一人が余裕で通れる通路を越えて、右へ左へ。 着実に近付いて来る赤ん坊の「臭い」を辿って、ハイウェイスターは更に歩みを進める。 『………見つけたぜ!』 間も無くして、視界の先にハーヴェストの絨毯に敷かれて移動する乳母車の姿が入って来た。 乳母車との距離を詰めながら、ハイウェイスターは考える。 スタンドとしては、自分のパワーは並以下だ。単純な殴り合いならば、今タバサが使っているクレイジー・Dの足元にも及ばないだろう。だがそれは目の前のハーヴェストとて同じこと。そうしたパワー不足を補う要素として一度に大量に姿を現せるのだろうが、僅かな時間の力比べならば自分の方に分があるだろう。 目的はハーヴェストの掃討では無く、あくまで奴らが持っている乳母車を奪取することだ。 ならば強引に乳母車を奪い返した後、全速力で自分の本体である噴上裕也達の元に戻ればいい。 精密動作はハイウェイスターが最も苦手とする能力だったが、乳母車を掴み取るぐらいならば 自分でも何とか出来る筈だ。問題は、中に赤ん坊が入った乳母車を持ち抱えた状態でこのすばしっこいハーヴェストから逃れることが出来るかどうかだが―― 『……やってみるか……!』 頭に浮かんだ僅かな迷いを振り払って、ハイウェイスターは覚悟を決める。 最高移動速度60㎞と言う自分の能力は、ハイウェイスターと、そして本体である噴上裕也にとっての誇りだ。その誇りを信じて、ハイウェイスターは乳母車を奪還するべくハーヴェストへと近付いて行く。 『コソ泥野郎め!その赤ん坊は返して貰うぜッ!』 足跡から人型へとその姿を変えて、ハイウェイスターはハーヴェストと並走しながらその手を乳母車へと伸ばす。ハイウェイスターの手に、乳母車のフレームの手応えが確かに伝わって来る。 そしてハイウェイスターはそのまま一気にハーヴェスト達の手から乳母車を奪い取ろうと力を込める。 ゼロの奇妙な使い魔「タバサの大冒険」 To be continued…… 第7話 前編 戻る